公立の中高一貫校 3つのタイプ

<中等教育学校型>
校長は1人であり、中学と高校の教育の教育課程を柔軟に組み合わせたカリキュラムにより一貫した授業が行われる。私立の一貫校もこのタイプ。独自の人材教育が可能。

<併設型>
国公立大学の附属に多いタイプで、中学入学者はそのまま高校に進学できる。高校は別の学校になるので、高校での募集も行われる。

<連携型>
区市町村単位で中学と高校が生徒のみならず、教員の人事面でも連携をとり、一貫教育を行う。高校への進学については「優遇」という形が多いので、完全な一貫校というものではない。都市部には1学区に多くの中学が存在するため、設置は難しい。

公立の中高一貫校 人気の理由

公立の中高一貫校を志望する理由はいくつかあります。
まず親が都立や県立高校の出身で、自由な校風や自分の学歴に満足している場合、その傾向が強くなります。
また中学での義務教育は公立で充分だと考える方も多く存在します。しかし、高校受験を考えると附属の中学への進学を希望すると言った、言わば”どうせなら附属がいい”という親の考えがそこにあるわけです(合格すればラッキー的な発想です)。

また私立の一貫校より経済的に楽であることも大きな理由の一つです。

私立の入試では「選抜」するという発想がありますが、公立でそのような選抜に反対する意見が多いため、基本問題による学力到達度調査のようなテストを行います。
国語、算数、理科、社会というように科目を分けてテストをするのではなく、図やイラスト、表などから全ての科目の総合知識を動因して、記述させたり内容を取りまとめるような出題となります。
また、その学校がある地元の話題や道徳に関する問題も散見され、賛否が分かれるような出題もあります。

都立中高一貫校の入学者決定方法について

都立中高一貫校の入学者決定の際には、小学5年生からの報告書が点数化され、適性検査とあわせた総合成績により選考されます。
「どうしてだろう?」「なぜそうなるのか?」という考えを深める学習を行い、自分で疑問点を解決する力量が試され、こうした探究心が適性検査での表現力向上につながります。
入試に関しては、公立であるため「学力による選抜をしない」という考え方がありますが、広域募集するわけですから必然的に「選ばれた生徒たちが通う特別な学校」となることは避けられません。また一部では「階級を生み出す」とも言われています。私立の一貫校に比べ学費的には負担が少ないとは言え、一貫校には教育熱心で経済的に裕福な家庭の子供が集まり、公立にはその逆の生徒が集まるという現象が既に起こっています。また地方自治体は一貫校を学力やモラルの向上を期待して設立しているため、教育者や設備などを含めた環境整備も一貫校に偏ってしまうのが現実です。様々な憶測が飛び交う中、今後も公立の中高一貫校が増えることになるでしょう。

実際の入試では、こうした「学力だけで選抜しない」という考え方から通常の算数、国語、理科、社会という科目別の対応に加えて、「数理図形」「文章表現」「自然・環境」「社会科学」と言った各分野を組み合わせた「考える力」を問う問題が出題されます。
一定の条件を与えておいて、その場で思考させて、その状況判断の能力を測るというものですが、これが「学力ではない」と言うのも不思議な気がします。
要するに知識の量ではない、推理の力が必要だいうことです。通常の受験対策だけでは対応できないため、公立の中高一貫中学を目指すのであれば、とにかく過去問を徹底的に分析し、子供に仮テストを作成できる程度の親の力量が必要となりますが、文章力をつける為なら、日本文章能力検定(文検)を受けるなど工夫すれば対応は可能です。
また都立中高一貫校向けの学習書が発売されていますので参考になさって下さい。

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