中高一貫校のメリット

まず一番大きい違いは、公立中学の場合、中学の3年間は高校受験に向けての3年間となる点です。公立中の生徒は高校に入ってはじめて大学を目指すことになるわけです。
反面、中高一貫校の場合は6年間の教育で、はじめから大学進学を目的にカリキュラムが組まれているという点でスタートの時点から目標が大きく異なっています。
学校のレベルにより進学する大学に差はあるものの、下位クラスの学校でも、多くの生徒が現役で4年生の大学進学を果たします。これは公立中学と比較すると授業コマ数が多いだけではなく、6年後の受験に向け計画された各校独自のカリキュラムにより6年後に大きな差が出てくるのです(中高一貫校は基本的に土曜日も授業があります)。

また高校受験が無いため、部活動などに3年間専念することができるのも子供達にとって大きなメリットと言えます。カラーや実力が近い生徒が集まるため、学校生活も過ごしやすく、学習面でも効率的に行われます。精神的にも肉体的にもゆとりを感じながら6年間を過ごせます。
職員からの指導も6年間通しで行われるため、比較的細やかな対応が期待できます。高校生も同じ敷地内にあり、何かと年令の違う人達との交流も多くなります。また国際性豊かな人間形成に注力する学校が多くなっています。

校風や規律を重んじる傾向が強く、ルールやモラルを厳しく指導する学校が多い反面、自由な校風が特徴の学校も多く存在します。
教育熱心な家庭で育った子が多く集まるため、問題の抱えた生徒が集団で学校崩壊を引き起こすことはあまりありません。
こうした面では公立での教育よりより中高一貫教育の方が優れていると言えます。ただし、いじめ等が全く無いというものでもなく、少人数の学校などでは派閥が出来やすく、生徒数が多い大規模な学校となると、成績下位生徒は「学校にさえ通って来ればよい」的な扱いになる場合もあります。

余談ですが、上位大学に進学するのは一部の上位に位置する公立高校を除き、中高一貫校からが大部分を占めるようになっています。中学受験の世界でも二極化が進んでいます。
一貫校以外の高校では3年生の夏休前後まで部活動をし、それから本格的に受験勉強をはじめるのが一般的ですが、中学入学時からコツコツと授業の中で積み上げで大学進学を目標に教育を受けている中高一貫校の生徒とは、学習量に圧倒的な違いがあり、その生徒たちとの競争に打ち勝つのは非常に難しい状況となっています。

中高一貫校のデメリット

デメリットとしてあげられるのが、中学から一貫校に入学した後、その校風に合わない場合、簡単に転校が出来ないという点にあります。基本的に一家転居や特別な理由を除き、転校は不可としている学校がほとんどで、入学したら6年間そこへ通う必要があります。
仮にいじめが生じた場合、子供は行き場を失う可能性があるという事です。
また大学まで附属がある場合、どうしてもエスカレーターで行きたがらない生徒も出てきます。同じメンバーと6年間付き合っていくというのがメリットでもありデメリットでもあると言えます。
余談ですが早○田中学では毎年、付属大学へエスカレーターで進学できる「枠」を全て使い切らないようです。これはもっと上位の学校にチャレンジする生徒もれば、自分が進みたいことを学ぶためにエスカレーター制度を使わずに、ランク的にはかなり下に位置する大学に進学する生徒もいるとのことです。早○田大学入学を熱望する受験生には、なんとも「もったいない」現象が内部生にはあるのです。

また、中学受験という激しい競争を勝ち抜いた後なので、勉強を一切やらなくなることもあります。中位校ともなると宿題を含め学習の時間をしっかりと確保しなくてはならないはずが、バーンアウトにより勉強意欲がなくなってしまい、授業にすらついていけない状態となる生徒もいます。落ちこぼれると、また行き場を失うことになりかねません。

学費の面をデメリットと感じるかどうかは別問題ですが、費用が公立と比べて何倍も高額になる事は覚悟しなければなりません。中学入学初年度は1年間で入学金と学費だけで60万円〜120万円くらいはかかってしまいます。これに交通費や昼食代、部活が盛んな学校ならその費用も高額となります。
しかし、デメリットはあるものの、費用に見合うだけの上質な教育や環境を手に入れられると考えれば、親としてはなんとかしてあげたいと考えるのが普通なのかも知れません。

中学受験 スポンサーサイト


中学受験 学費融資に関するお役立ちリンク


>>日本政策金融公庫
子供の教育資金を必要とする方向けの教育貸付に関する情報サイト

>>E-LOAN
教育ローンの比較サイト。提携銀行リンク

中高一貫校について

  • ブログパーツ