正確な時間を計り4教科を本番さながらに解く

過去問は毎年の傾向を探るためにとても重要なファクターです。力試しに合格最低点までとの距離を見るのも、受験勉強をするうえでの楽しみでもあります。
しかしより実践的に過去問を使いたいため、きっちりと正確な時間を計り、入試当日さながらに4教科を解いていきます。
はじめだから少し余裕を持ってやろう・・とか、解く作業を早める訓練と称して5分〜10分も時間を短縮するのはお勧めできません。あくまでも正確な時間の中で取り組みましょう。
また4教科を一気に解く理由があります。
例えば算数を8月、国語は11月・・・これではその時点で合格最低点までどれくらいあるのかが判断できません。また50分の試験問題であれば、50分間の時間がしっかり取れるときに行います。途中で食事をしたり、トイレに立ったりはしないようにします。あくまでも「実践さながら」が基本です。

複数年度をまとめてやらない

実力の進捗(変化)を正確に捉えるには、模擬試験ではなく過去問の方がかなり正確です。つまり11月に過去問にとりかかったとすると、その時点で全ての年度を一気に終えてしまうのではなく、12月、1月用に数年分は残しておきます。できれば12月は2年前、1月は昨年度のものというようにです。

また複数年度を一気にやっても意味が無い場合があります。
例えば千葉県の私立中学はここ5年間で偏差値が大きく上昇している学校がいくつもあります。特に常磐線、総武線沿線の学校に多く見受けられます。千葉県は中学入試の解禁が1/20であるため、都内の受験生が2月の受験前に”力試し受験”をしに来るのです。偏差値60の学校では63〜65の都内生が合格をさらって行きますが、多くの生徒は入学はしません。実際に入学するのは偏差値55〜58前後の生徒が多いのですが、合格するためには60前後の偏差値が無いと不合格になる可能性が高いのです。
こうしたことから偏差値が数年で上昇しているため、5年前の過去問で合格最低点を取れたとしても、それは参考にならないのです。ですからあくまでも参考として考えるのと、過去に出題された問題と自分の苦手分野とを照らし合わせ、その後の学習プランを立てるための材料とするに留めます。
実際に願書を提出する時期に、実践さながらに過去問を解き、合格できそうなのか、志望校を選びなおすべきなのかを判断します。

自宅で合格最低点を超えても油断してはならない

模擬試験より過去問のほうが、はるかに合格可能性を図る上で正確です。しかし落とし穴があることを頭に入れておきましょう。

まず「実際の入試会場は普段の実力の90%しか出せない」という事です。いくら模擬試験を何度も受けて「慣れている」つもりになっても、やはり本番は違います。これまでの苦労がたったの数時間で判断されてしまうプレッシャーは相当なものです。自宅学習の時のような実力を出し切ることは、まず考えないようにしましょう。
次に「採点基準が甘い」ということです。例えば国語の漢字を採点した場合、パッと見て間違えた漢字を書いていなければ「○」とするでしょう。しかし実際の入試では「トメ」「ハネ」までチェックが入りますので、かなり厳しい基準で採点しない限り、本番と同等の採点はできません。記述問題などはなおさらです。
また自宅に過去問が置いてあれば、中身をチラチラと見たことがあるかも知れません。それだけでも時間配分など随分と違ってきます。

一般に市販されている過去問集は色々とありますが、解答や解説は塾の先生などの専門家が作成していますので、内容には若干の誤差があります。難関校ともなると出版社別に解答が違っているものもありますが、評判が良いのは「声の教育社」で安定した解答と判り易い解説が定評です。




中学受験 学費融資に関するお役立ちリンク


学校別 過去の入試問題集

>>過去問検索--声の教育社出版(赤本)

 >> みくに出版  >> 教英出版

過去問の取り組み方

  • ブログパーツ