過去問を読む

自宅学習で一番やっかいなのが国語対策です。社会、理科は知識を蓄えることで、一定レベルまでは目に見える形で成績は向上します。算数も分野別に着実に学習をすすめることで成績に反映されます。
しかし国語だけはなかなか思うようにいきません。どうしてか・・・
問題文を読んで解答を導き出す独特のテクニックは確かに存在します。大手進学塾ではそうしたテクニックを駆使して、機械的に解答を得るノウハウを教えたりもします。
国語に関して言えば、解答は”複数考えられそう”な場合があるのです。特に記述問題ではテキストの解答と照らし合わせても「正解のようでもあるが・・・ちょっと違う気もする・・」という場面によく出くわすのです。解答欄にも「解答例」という形式で掲載されています。
「例」ですから他の表現でもかまわないという意味です。実際に記述問題では10点中に5点だけ減点される・・・といった具合に、作問者の考え方や意図次第でどれくらいの得点が期待できるかが不確実な面があります。正解に幅が存在してしまうのです。
こうした面が国語の学習を進める上で、戸惑いを伴うことになっています。

国語のテストで成績を上げるために、まずやらなくてはならないことは「難しい内容の文章を多く読む」ことです。やさしい文章はいくら読んでも意味がありません。例えば雑誌やマンガを毎日読んでも、受験用としては効果が期待できません。

難しい文章で小学生に適したものはどこにあるのか・・・
答えは簡単です。中学入試の過去問です。国語の勉強は他の科目ほど学年差を考えずに学習をすることができます。通常、過去問に手をつけるのは6年生の秋頃ですが、国語に限って言えば、できれば5年生から過去問に出題された文章を読むようにして下さい。作問者は解答を○か×のどちらかにしなければならないわけですから、必然的に「練りに練った」文章や問題が出題され正解の幅が無くなるように配慮された文章ばかりが掲載されています。そういう意味では、本を読むより、はるかに質が高く学習効果が期待できます。

利用する過去問はどこの学校のでもかまいません。志望校でないと意味が無いということはなく論説・説明、物語小説、随筆・紀行、詩、短歌・俳句など様々なジャンルの文章を探して、1000文字程度の比較的短い文章からはじめてみましょう。

読む時は時間を気にせず、音読しながら読みます。1日1つの文章で結構です。10分前後でできるので是非続けて下さい。

[過去問を読む際の注意点]
ただ漫然と読めば良いというのでは勉強になりません。通読するのではなく「精読」するのです。内容をよくかみ砕きながら、しっかりと読むことで学習効果が発揮されます。


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【著者プロフィール】
筑波大学附属小学校国語部教諭

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