漢字力=国語力

漢字力は国語力だと言われています。しかし漢字を覚えるための王道はありません。
一つ一つ丁寧に覚えていくしかありません。しかし覚えてしまえば確実に得点できる分野ですから、長い時間をかけてでもしっかりと粘り強く続けましょう。

<なぜ漢字学習が大切なのか>
テストでは正答率が高い分野であるため、ここでの取りこぼしは大きなマイナス要因となってしまいます。つまり10問全問正解の生徒と5問しか正解できない生徒では、大問1題程度の得点差となってしまいます。
合不合格ラインには多くの受験生がひしめいています。よほどの人気校でない限り、合格最低点は全受験生の平均点より少し上にある場合が多く、これはボーダーライン付近に多くの受験生が集まっているということになります。という事は漢字1問の正不正解で合否の分かれ目になると言っても過言ではありません。ちなみに大学受験の話になりますが、早○田大学は1点に泣く受験生が毎年数百人いると言われています。
たった1点・・・されど1点なのです。

<大きな文字で書いて覚える>
漢字には「はね」「とめ」など、細かい部分をしっかりと覚える必要があります。先がまるまった鉛筆で、余った紙の余白にちょこちょこと書いていく方法はあまりおすすめできません。
まずは漢字学習専用ノートを2冊用意します。1冊は問題集を解いていくためのもの。もう1冊は間違えた問題のみを覚えていくために使います。
大学ノートであれば横に4ツ程度書ける程度の大きな文字で「はね」や「とめ」を意識して書いていきます。また書く時は”なぐり書き”は厳禁で必ず丁寧に書く習慣をつけましょう。丁寧に書くことで学習に集中できるようになります。

<効率の良い反復学習>
問題集をはじめて取り組む時、間違えた漢字には必ずチェックを入れておきます。いくつ書けたかは関係ありません。問題集をはじめて取り組む時の目的は「書けない漢字はどれか」をふるいにかけるためです。書けた漢字はやらなくても書けたはずですから、どの漢字を覚えなくてはいけないかを明確にするためなのです。
ですから、あまり時間をかけずにどんどん問題集の漢字を書いていきましょう。1ページを終えたら、間違えた漢字のみを別の専用ノートに丁寧に、大きな文字で書いて覚えていきましょう。こうして問題集を一通り最後まで終えます。
1回目を終えたら、2回目は”書けなかった漢字のみ”の解き直しを行います。ここでも書けなかった漢字は、またノートに書いてしっかりと頭に刷り込みます。2回目が終わったら、仕上げに3回目を行います。この時点で95%前後の正答率を目指しましょう。

<読みの学習>
漢字には書き取りだけではなく「読み」の分野もあります。特に読み間違えやすいものばかりが出題されますので、省略せずにしっかりと取り組みましょう。読みの場合は、最初からノートに書いて覚える必要はありません。まずは問題集を使って読めない漢字を洗い出します。どんどん読んでいって読める漢字は切り捨てていきます。
読めない漢字が解ったら、書き取りと同様の方法でノートに書いて覚えていきます。読めない漢字は書くこともできないため、ここではしっかりと書けるようになるまで反復して覚えていきます。

<漢字力=国語力>
漢字はそれぞれの熟語となって意味を持っています。パーツの構成の意味を理解しながら覚えていくのが理想ですが、なかなかそこまで時間が取れない場合は、最低でも熟語の意味だけは覚えましょう。英語を勉強した経験がある人なら解ると思いますが、単語を知っていれば全体の英文の意味を理解することができるように、国語にも同じ事が言えます。熟語一つの意味が解らないために、その文節の意味を間違えて解釈してしまうことが多々あります。
大人なら生活の中で頻繁に使っている熟語でも、子供は意外と知らない事が多いのが現状です。「知っていて当然」と侮らず、丁寧な学習を心がけます。

<問題集の選び方>
受験用として理想的なものは実際の入試問題を分析し、出題された頻度順に学習ができるものが良いと思います。また難しい熟語には意味が掲載されているものが調べる時間を省略できるので効率的です。子供が辞書をひいて意味を調べていては、時間がかかり過ぎます。賛否両論あろうかと思いますが、解らない熟語は親が教えてあげるようにして下さい。小学生には辞書を使った学習はとても負担が大きくなります。
また「はね」や「とめ」が一目で解るくらいのフォントの大きさが必要です。大人が使用するようなポケットサイズのものはおすすめできません。また字体は明朝体が基本です。

<漢字学習はいつやるのか>
難関校を狙う受験生は毎日深夜まで受験勉強をしています。漢字学習に時間を費やす余裕はなく、少しの時間を使って”隙間学習”をしています。朝起きて学校に行く前の10分間・・・お風呂に入って食事までの間のほんの少しの時間・・。
しかし自宅学習で中学受験を目指す生徒は、是非、しっかりと漢字学習の時間を確保して取り組ませて下さい。隙間学習でも良いですが、そこまで時間を切り詰めたムードで受験をして欲しくないのです。そのための自宅学習なのです。
先にもお話しましたが、漢字学習は大切な分野です。毎日15分でよいので漢字学習の時間を計画的に確保して学習しましょう。1年後には大きな成果となって返ってきます!

<漢字を終えたら次のステップへ>
漢字学習は学年の壁を超えて学習を進められます。できれば5年生時に中学受験レベルまで持っていけたら理想的です。次のステップとして類義語、対義語、四字熟語(代表的なもの100〜150で十分)などの語句の知識分野に取りかかりましょう。
この分野は大人には簡単でも子供は非常に苦手です。覚えれば覚えるほど、やる事がたくさんあってどこまで手を付けなければならないのかが解らなくなりますが、1冊の問題集を選んでそれを完璧に仕上げるようにしましょう。あれもこれも手をつけても意味がありません。

参考までに漢検でいうと小学生の履修範囲は5級までですが、中学受験には中堅校で4級までは必要で3級レベルからも出題されることがあります。
自宅学習で中学受験を目指す場合、漢検を受験するのは受験勉強にもなるため一石二鳥です。漢検は良問の集合体ですから是非チャレンジしてみて下さい・・・まず目指すのは4級です。
また私立中学では入学後に漢検を受けさせる学校が多いです。

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中学入試によく出る漢字・語句を、項目ごとに分けてまんがでわかりやすく解説しています。肩がこらずに楽しんで学べる本です。まんがで学んだ後は、実際の入試問題を解くことで学習の確認ができます。

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