国語の読解力と算数の読解力との違い

学習の全般について言えることは、まず国語の読解力がベースになっていることは間違いありません。しかし受験用の国語の読解力と算数の文章題を解くための読解力は少し違った面を持っています。ベースとなる国語の読解力だけに頼っていては、算数の文章題が苦手な受験生はなかなか成績が上がりません。まずは国語の読解力と算数の読解力との違いを良く理解しましょう。

国語の受験勉強では「過去問に掲載されている文章を音読する」ことが受験勉強における読解力養成にすばらしい威力を発揮するとお話しました。入試に出題される国語の文章は物語文から筆者や登場人物の心情理解を問うものが多く、受け取り方しだいで理解に「幅」が生じます。逆に算数の文章題は「論理」そのものを問うもので、順を追って正確に漏れなく点検しながら読んでいくという、全く違った視点でとらえていかなければなりません。
しかしある方法を繰り返し行う癖さえつけて学習を続ければ、物語文や論説文の内容を理解するよりもはるかに短い期間で読解力は向上するものです。

算数文章題の読解力養成方法

次の文章題を解きながら、その方法を説明しましょう。

1m20cmのテープをA、B、Cの3本に分けます。AはBよりも20cm長く、BはCよりも11cm長くするとき、それぞれの長さを求めなさい。

一度読んだだけで、すぐに解法が思い浮かびますか?中学受験では必須の線分図の基本を学ぶ「和差算」の典型問題です。和差算の勉強は、まずここからはじめます。
5年生で学習の進度が標準的な受験生であれば、ざっと一読しただけで「何を聞かれているのか?」がすぐに理解できるはずです。しかし、何度か読み返さなければ内容が把握できない場合は、読解力が不足していると言ってよいでしょう。

では読解力を養成する方法をご紹介します。
二度目に読み返す時に、ポイントとなる部分に全てアンダーラインを引いていきます。

1m20cmのテープをA、B、Cの3本に分けます。AはBよりも20cm長くBはCよりも11cm長くするとき、それぞれ長さを求めなさい。

こうすることで、「何がどうなっていて」「どう考えれば良いのか」道筋を立てることが容易になります。この方法を癖にしていけば、知らずのうちに初見でアンダーラインを引けるようになります。

・全体は1m20cm=120cm。
・AはBより20cm長い
・CはBより11cm短い
・それぞれの
・長さ(を求める)

線分図を書くとこうなります。
線分図

つまり全体から20cmを引き、11cmをたすと同じ長さの線が3本できます。
120cm−20cm+11cm=111cm
111cm÷3=37cm

Bは37cm

あとは20cmを足せばAが求められ、11cmを引けばCが求まります。

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