複数回同時出願は受験に有利か?

最近では同じ学校が複数回受験(出願)を実施するようになりました。これは学校側の併願校対策とも言え、質の良い生徒を多く確保したいという意図が見え隠れします。2月になると都内では一斉に受験が始まりますが、これだけ多くの学校があるため試験日が重なってしまいます。特に中堅クラスの中学を目指す生徒の実力は僅差で拮抗しているため、本当は3校程度を受験したくても日程が重なってしまい、どこか1つに絞らなくてはならない場合が生じてきます。
学校側としては少しでも受験生の数を増やしたいため、苦肉の策として複数回受験(出願)を行うようになってきました。もちろんこれは受験生にとっても大変便利なシステムで、第一志望の合格可能性が低い時、まずは第2志望の学校で合格を取りたいと思いますが、受験日が重なると、合格可能性が低い第1志望校の受験を見送るか、そのまま第1志望の学校で一発勝負に出るしかありませんでした。しかし複数回受験(出願)を行う第2志望校があれば、受験日をずらして第2回目の受験することができるようになりました。

最近の受験生は進学塾の「難関校への進学率実績策」の影響で難問や、やたらに難しい応用問題の演習にばかり時間を割いて勉強しています。こうしたことが影響してか、基本的な学力が低下していると言われていて、実力以下と思われる基本問題を中心に出題する中堅クラスの学校に不合格となる生徒が見受けられます。たとえ第2志望の学校であっても油断はできないということです。
逆にこうした中堅クラスの中学を狙う受験生にとって、複数回受験(出願)をしてくれるのは、とてもありがたいものです。
少なくとも第1志望校が複数回受験を実施していれば、願書提出の段階で全ての日を受験する複数回同時出願をしましょう。1回の受験料が20,000円の場合、2回〜4回の全てを受験しても合計で30,000円程度と割安になっているものです。

合否に有利になるかどうか・・・
結論から言うと、ほとんどの学校で有利になると思ってよいと思います。
どういう配慮があるかは学校により様々ですが、例をあげると・・・

@全ての受験日に同時出願した生徒は入学意思が高いと判断される
A複数回のテストの結果から、得点が良いものをピックアップして合計点とする
B定員に満たない場合、複数回受験生から順に繰り上げ合格とする

などです。

もちろん合格最低点を取ることが大切ですが、合格ボーダーライン上にいる場合はこうした配慮があることが多くなっています。また12才という年令を考えると、非常に順応性が高いため回数を重ねるごとに場慣れして想像以上の高得点を取ることもあります。
欠点と言えば、子供の体力的な問題です。午前と午後で2校を1日で受験したり、毎日が受験日である・・・などの過密スケジュールにならないように上手くスケジュールを管理しましょう。疲れや体調不良は天敵です。

結論を言えば、第3志望以下を除き複数回受験(出願)を実施している中学を受験する場合は、願書を提出する段階で「全ての回を受験」を選択する同時出願をしましょう。
余談ですが複数回ごとの偏差値ですが、通常は回を重ねるごとに上昇していきます。それだけ実力以上の学校を無理して受験し失敗した生徒がいるという事です。そういった生徒が2回目・・3回目の受験を受けにくるのです。

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