悪徳家庭教師の罠

中学受験は高校の入試問題にも出てくるような問題を、算数であれば数学的な発想を用いずに”小学生らしい”解法で正解を導くという、いわば「特殊」な学習が必要です。また社会や理科においても、大人の一般常識の範囲を超えたはるかに深く入り込んだ知識と応用力が求められます。こうしたことから一般的な家庭では進学塾に通わせることで、合格を勝ち取ろうと一生懸命になるものです。
ここ数年、特に競争が激しくなりつつあることから、大手の進学塾では上位の難関校への合格者数を少しでも増やそうと経営戦略が練られています。結果的に通ってくる子供は大きな負担を抱えながら膨大な量の学習をこなしていくことになります。
3年生から通塾していても、偏差値は全く上がらない・・・というのは珍しいことではありません。全体の中での偏差ですから本人がいくらがんばっても絶対評価ではないため、自分のポジションは上がらないばかりか、下がることすらあります。つまり「他人より優れた学習効率で勉強する」「ポイントを突いた弱点補強を徹底する」といった、”自分だけ”の作戦が無ければ、全体の中での偏差値は上がってきません。
こうしたことから進学塾に通いながら、更に個別指導塾に通ったり家庭教師を頼んだりすることがレアケースではなくなりつつあります。
塾代が月に5万円、それに家庭教師も5万円・・・夏休みは50万円にもなった・・・という異常な世界に突入しています。

こうした事情を利用した悪徳の家庭教師が家庭とトラブルになることが頻発しています(家庭教師自身や仲介業者に問題がある)。
みなさんの家庭にも家庭教師派遣の業者からダイレクトメール届いた経験はありませんか?どの会社も「塾はダメ。家庭教師なら自由に学習プランをカスタマイズでき、本人にピッタリの家庭教師を派遣します。しかも費用は安い(仲介業者を介さない契約なのでコストが安い)」という内容のはずです。

もちろん全てが悪徳業者ではありませんし、親身になって指導して頂けるプロの家庭教師の方もたくさんいます。しかし時流に乗ったビジネスライクな業者が乱立していることをよく理解して利用を検討して下さい。

どんな罠があるのか

・家庭教師派遣費用の他に高額(80万〜100万円)な教材を購入させる
・「プロの家庭教師」を派遣するということのはずが、1時間程度の説明を受けただけの学生を派遣
・子供に演習問題を解かせている間、ずっと携帯電話をいじっている
・約束の日時を守らない(ルーズである)
・解約に応じない
・個人的なブログで誹謗中傷を書き込まれた
・教師の変更は自由なはずが、対応することに積極的ではない
・会社に電話してもなかなかつながらない
・学歴詐称(大学名を偽るパターンが多い)

もっとひどい場合・・・
・家庭教師が来るようになって、家でモノがなくなることが多くなった
・娘に対する態度がおかしい(性的に)
・脅迫まがいの指導をする

家庭教師には仲介業者を介する場合と、直接に派遣会社と契約する場合や完全な個人との契約など様々なパターンがあります。
一番トラブルが少なく安心できるのは大手の派遣会社ですが、掲示板などの書き込みを見ると色々と書かれていますので、ある程度のリスクは覚悟の上で契約に望む必要があります。
とりあえず言えることはダイレクトメールを送ってくるような業者は要注意だということです。教育機関でありながらビジネス一色になっている場合があります。
しっかりと事前の面接ができて、それでも家庭教師との相性が合わない場合、変更ができるかどうかの情報は確認しておきましょう。
家庭教師とはいえ、家族以外の他人を家に招き入れることを十分に考慮して検討しましょう。

どんな家庭教師との契約がオススメか

意外と思われるかも知れませんが、プロの家庭教師ならそれで良いというわけではなく、個人的な考え方としては「中学受験経験者」で「国立大の学生」と仲介業者を介さず、個人契約するのがオススメです。

理由は・・・
・中学受験は特殊な学習であることから経験者が良い
・学生であれば”受験感”が残っている
・国立大学生なら4教科をくまなくカバーできる
・仲介業者を介さない契約なので費用が低額
という点にあります。公立中学→(高校)→私立大学生の場合、優秀な学生でも中学受験の指導は難しいでしょう。高校から附属で大学生になった学生はならなおさらです。

また個人で契約する時、書面で契約書を交わすことがポイントです(簡単なもので結構です。
費用面(授業料と交通費及び教材費など)、授業日程の変更(急な用件での日程など)に関する部分、解約する際の決め事・・などです。
また事前の面接はしっかりと行います。学歴にウソがないかどうか、学生証を見せてもらい、更に履歴書をもらいます。またこちら側の”真剣さ”もしっかりと伝えます。
学生の家庭教師を個人契約すると1時間あたりの授業料は東大生で3,000円前後ですので、コストパフォーマンスは良いと思います。
月に1度くらいは食事会でもできるような親身になってくれる家庭教師が見つかれば、最高のパートナーとなるでしょう。

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