誘導尋問

自宅学習で受験勉強をしている家庭では、例外なく親が教育熱心であると言えます。学習計画も親がマニアックなほど緻密に練り上げ作成される方もいらっしゃると思います。
子供はそんな親の意気込みに応えようと一生懸命に勉強をします。
親にしてみれば自分が立てた学習計画に沿ってキッチリ勉強して欲しいし、程度の差はあるものの四谷大塚の日曜テストや日能研のカリテの偏差値の上下動に一喜一憂したりもします。
情熱をもって指導にあたることはとても大切ですが、頭は常にクールでなければなりません。判っているとは思いますが、実はこれが一番難しいことでもあります。

タイトルに「誘導尋問」と書きましたが、これは日々の指導の中で気づかぬままに行ってしまっている方は注意が必要です。

誘導尋問とはどういうものか・・・

「この図形の辺のAとBの長さと、CとDの長さの比はいくつ?」
「そう・・1:2だね」
「辺の比が1:2ということは、面積比はいくつ?」

問題が解けないということは解法の道筋を立てられないということですから、親が道筋をはじめから示しながら、単に1つ1つの数字を応えさ正解まで導いたとしても、本来の「どうして道筋を立てられないのか」の解決にはなりません。解答まで誘導しながら質問する「誘導尋問」に過ぎません。その問題は「解き方」を知ることで解けるようになりますが、違った角度から出題されると、また解けなくなってしまいます。
「教える」ということは解答までを一気に導いていくことではなく、その分野の根本原理をしっかりと理解させ、解けない問題にその原理がどのように応用され作問されているのかを、分かりやすく教えていくことです。

「これは○○を使った問題だ」
「だからここが解れば答えが出せるはずだ」
「だからここをまず求めなくてはならない」
「そのためには何が必要なのか」
「与えられている条件は何か」

など・・・道筋を立てることと、条件を整理する力が必要です。

誘導尋問して親が思っている通りの返事をする子供に満足していませんか?

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