国語力は全ての土台

中学受験に挑戦する小学生にとって、まず課題となるのが国語力が無いとテキストを一人で読んで理解していくことが難しいという点です。
受験勉強をはじめる前は、カラーの図や写真の入ったとても親しみやすい教科書や副教材しか目にしたことがありません。それが急に文字で綴った解説文章ばかりの無骨なテキストになじめないということがあります。
ましてやその解説を読んで自分で正しく理解するというのは、かなりの国語力が必要となるため、まずは塾で解説を聞いて理解をしていくというスタイルになるのです。

自宅学習となると、塾の代わりを親が請け負うこととなります。
当然ならが理解したからと言って、正しく子に教えるのは慣れが必要となりますが、自分の子ですから性格を誰よりも知っているため、コツをつかめば二人といない最もふさわしい”先生”になれるのです。もちろん難関校を受験するのであれば、専門の先生に指導していただかなくてはなりませんが、基本問題を正確に解ける実力さえあれば合格圏に達する中堅校までなら、親だけで充分に対応が可能です。

まずは親がしっかりと予習をして、テキストの内容を正しく理解し、解説の内容に沿った教え方をしましょう(テキストに掲載されている解き方以外の別解でも良い場合が多々ありますが、そこまで考える必要はありません)。


5年生も後半戦に入ってくると、尚一層の国語力が必要となってきます。
まず問題文の意味を理解する力が必要となり、「何を聞かれているのか?」「何をどう答えればよいのか?」が正確にとらえられなければ得点できないばかりか、致命的な「空欄」のまま答案用紙を提出する事態となってしまいます。この話は国語だけのことではなく、算数、理科、社会の全ての科目で言えることです。
間違えた問題でも、もう一度よく問題文を読み返すと、意外と簡単に「あっ・・そうか」と解った経験はだれにでもあると思います。問題文の意図を短時間で理解できるかどうかも受験では必要となってきます。

受験勉強をはじめる5年生の初頭では「そんな・・・国語力、読解力なんてそのうちなんとかなるよ」と軽率に考えがちですが、6年生になる頃には、それを痛感することになります。

対応策として、やたらに読書をすすめる塾があります。それは一種の「策無し」だからそういうしか無いのです。読書を沢山したからといって読解力がすぐに高まるのではありません。とても長い時間がかかるものです。はっきり言って読むだけでは「読み解く力」はなかなか育ちません。読むという行為は、人それぞれにクセがあり、そのクセは他人には全く見えてません。指導のしようがありません。本人も解っていませんから、いつまで経ってもそのクセは治りません。読むスピードを速めるという点では効果はありますが、読解力を1年程度で高めるにはあまり意味の無いことなのです。また読解力には精神年齢も大きく関係していると言われています。要するに多くの経験を積んでいる子や、持って産まれた才能や精神に左右されるという事です。

ではどうしたらよいのか・・・

親子でしっかりと話(会話)をすることです。
題材は何でもいいんです。普段のコミュニケーションの中で、さりげなく質問や問いかけを、意識して少し増やしてみて下さい。
「今日のホームルームは何を話し合ったの?」とか「この前、テレビで見たあのヘンなおじさん、、何ていう人だったっけ?」とか・・・
要するに質問されれば、正しい答えを返すために考え、それを自分の言葉で説明しなければならないので、どういう風に話そうかと頭を働かせることになるのです。
受験勉強をはじめると一緒にいる時間が長くなっても勉強以外の親子の会話が無くなります。ですから是非意識して会話を増やすようにしてみて下さい。人間の言語の成長は・・・「聞くこと」→「話すこと」→「読むこと」→「書くこと」の順です。まずは正しく質問を聞き、正しく答える・・・それが充分にできれば自然と読み解くことはできるようになります。

もちろん読書を全否定しているのではなく、優先順位として読書だけに頼らないという意味です。理論的な少し難しい文章などは、同じような文章を読み慣れることが必要です。また50分〜60分程度の試験時間で問題文を読み終えるスピードが必要であるため、ある程度の時期からは読書をすることはとても有意義であることは間違いありません。
その際、読解力を養うという意図で読書をするのであれば、是非「音読」をさせて下さい。1日に数ページ(文字数で1500〜2000文字程度)で結構です。音読するとより情報が多く脳に入ってきますから、内容を理解するのにはとても効果があります。

最後に、もし時間に余裕があれば日記を書かせて下さい。長い文章ではなく、今日一日にあった内容をコンパクトにまとめるだけで結構です。はじめのうちは1行だけでもかまいません。慣れてきたら少しずつ文章量を増やしていきましょう。ポイントは日記の中に「自分の感想を盛り込む」という点です。
これは全ての教科記述問題にとても有効です。小学生は自分の意見や考え方をまとめることが非常に不得意です。ゴールデンウィークや夏休には作文にもチャレンジしてみて下さい。

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