想像を超えた戦いの日々

もはや首都圏では中学受験はあたりまえとなっていて、受験日が重なる2月のある日はクラスの8割りが欠席というのも珍しい事ではなくなりました。
親は自分の子供に期待をかけ、少しでも偏差値の高い学校に入学させたい、早慶をはじめとした有名大学に進学し、一流企業への道を歩ませたい・・そのためには偏差が高く大学進学実績がある中高一貫校へと願うものです。
しかしそれは子供本人の意志ではなく、また”子供のため”という気持ちの根底には親自身の見栄やプライド、過剰なまでの期待が隠れているのです。自分が有名大学に進学できなかった事を、自分の子供に託している方も多いのです。

多くの親たちが陥るのは、中学受験の知識がないまま「とりあえず進学塾に通わせる」ところからスタートしてしまいます。誰でも高校受験までは経験していますから、単純に偏差値50とか60というのは、それほど苦労せずに到達できるものだと誤認しています。しかし実際に自分の子供が持ち帰ってくる入塾テストの結果を見て愕然とする・・・
そこには偏差値39とか41とかが記載されているからです。
それを見た親はまず間違いなく「ありえない!」「おかしい」と感じることでしょう。「うちの子はクラスで1番か2番、たまたま調子が悪かっただけだ・・」と自分を納得させようとします。しかし実際にクラスで1番か2番であっても、専門の勉強無しで偏差値50〜60をいきなり出すのは到底無理だということです。

そこで陥りやすいのは、勘違いをして子供に対して厳しく叱咤激励をしてしまうことです。怒ったり、急に猛勉強をさせたりと受験勉強にどっぷりと漬けてしまい、本来の小学生の暮らしを全て奪ってしまう”モンスター化”する親が非常に多いのです。
何かなんでも偏差値重視の生活を無理強するわりには、偏差値はほとんど上がらない。過剰な期待を持つ親が落ち込み悩むことで家庭内が暗くなり、切羽詰まった状態となる。子供はどんどん追い込まれ、最後にはバーンアウトしてしまう・・・。そして勉強を続けることすらできなくなり、最悪のケースは小児鬱に・・。

中学受験は子を潰してしまうリスクを伴う、想像を超えた戦いの日々の連続なのです。それにはまず中学受験の難しさをしっかりと認識し、様々な葛藤に左右されず冷静な判断ができる”優秀な親”になることが大切です。
大手の進学塾ばかりを頼るのではなく、自宅学習を中心に据え無理なく上手に子供を導いてあげられる懐の深さが必要だと思います。

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